カピバラの備忘録

アニメと音楽と読書など。少し自分の考えをまとめて見たい気分になりました

「月がきれい」 14話 創作

月がきれい 14話

「ねえ、茜。こないだ試合に来ていたのって彼氏?」
部活の休憩時間、同じ短距離で友だちの美咲が突然聞いてきた。

「えっ、なんで…」
「やっぱりそうか(笑)終わったあと茜ちょっといなくなったよね、偶然見ちゃったんだ。茜ってすぐ顔に出ちゃうから、隠しごとできないよね」(笑)
「もうっ」恥ずかしがりながらも少しむくれる。

「でもいいなぁ茜は、応援に来てくれるなんて。私、遠距離だからなかなか会えなくて」
「えっ、そうなの。実は私も遠距離なんだ」

小太郎くんのことを想う気持ちは変わらないけど、距離が遠くなったことで時々寂しくなる。でも美咲が同じ遠距離を続けていることを知って「私だけじゃない」と考えたら少し元気が出てきた。

クラスの友だちにも付き合っている子は何人かいる。隠すのも変だし、男子に誤解されるのも困るので小太郎くんのことは割と最初の頃に話した。
恋バナは盛り上がるけど結構恥ずかしい、でも友だちの話を聞いていると「好き」にも色々あるんだなと思う。

優しいところが好き
楽しいところが好き
音楽の趣味が合うところが好き…

去年、心咲たちに聞かれたときは「一緒にいると安心するところ」と答えた。

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小太郎くんって結構大人だなと思う時がある。
お祭りで舞を披露したり
古本屋のお兄さんと仲良かったり
やっぱり地元の大人たちと付き合いがあるからかな…
私はいつも助けてもらってばかり…

いったい小太郎くんは私のどこを好きになってくれたんだろう…
そんなことをふと考えてしまう。

 

7月のとある日曜日。
川越と市川の中間にほど近いショッピングモールに遊びに来た。
洋服や雑貨店、本屋さんにスポーツ用品店。映画を見るという選択肢もあったけど、それだと喋る時間が少なくなってしまうので今回は無し。
ふたりで色んなお店を見てまわる、それだけで楽しい時間が過ぎて行く。

フードコートで少し遅いお昼ご飯。

陸上部の友だちが同じように遠距離をしていること。夏休みの合宿のこと。
小太郎くんは学校のこと。アルバイトのこと。お囃子の練習のこと。

普段逢えないから話すことが沢山ある。この間は競技場に来てくれたけどほとんど喋れなかったから尚更。LINEはしているけどやっぱり違う。

 

そのあと飲み物を買って、外の景色が見えるベンチに座る。

「少し聞いても、いい…?」「えっとね、小太郎くんって、私のどこが好きになったの…」

「あらためて聞かれると何か…、ちょっと照れるかな、俺」(笑)
「えっと、茜ちゃんが体育祭の時、全力で走っているのを見て、すごく楽しそうでカッコよかった…。あまりにもキレイで見とれちゃったんだ…、たぶんその時からだと思う」

「でも私リレーで失敗したから、恥ずかしかったし少し落ち込んじゃった…」
「実は俺、リレー見てないんだよね」

ずっと用具室で芋のマスコットを探していたことを打ち明けた小太郎くん。
「用具室で拾った」と言ったから、単に落とし物を届けてくれたと思っていた…

「ありがとう、小太郎くん。そんな時から私のこと助けてくれてたんだね」
考えただけで嬉しくて、少し目頭が熱くなるのが自分でもわかる。

「全然大したことじゃないから。あーあっ、泣かなくていいから」(笑)
「本当にありがとう、これからもよろしくね」
「うん、こちらこそ」

「じゃあ今度は茜ちゃんの番。俺のどこが好きになったの」
そう言われて、いままで小太郎に何度も助けられたこと、そしてもっと喋りたいと思ったことを話した。

「そんなことしたかな(笑)でもいつ頃そう思ったの?」

そういえばいつ頃からだろう、もっと喋りたいと思ったのは…。
去年のことなのに…
  京都の修学旅行で雨の中、告白の返事をした時
  どうしても会いたくなって神社に行った時
  体育祭が終わってマスコットを手渡してくれた時
  ふたりで用具室から得点ボードを出した時
  勇気を出してLINEを教えた時
  緊張して休み時間に話しかけることが出来なかった時
  ファミレスで恥ずかしくて、学校では秘密にしてと言った時
  そして三年クラス替え、偶然近くにいた小太郎くんを目で追った時

「茜ちゃん?」
「うんとね…。忘れちゃった」(笑)
「えぇっ」(笑)

誤魔化すように小太郎くんのほっぺにキス。
そのまま少しだけ小太郎くんの身体にもたれて思う。
  きっと同じクラスになった時から小太郎くんと喋りたかったんだ…

初めて出会った時から決まっていた、そう思えた。
人が人を好きになるなんて、大した理由はないのかもしれない。
大切なのは私が小太郎くんのことが好きだということ。

「小太郎くん、大好き」
「俺も、大好き」
「でもたぶん私の方が好きだから」(笑)
「俺はもっと好き」(笑)

去年の夏は楽しかったな。
遊園地に花火、お囃子の稽古、風鈴…
今年はもっと楽しい夏にしよう。もっと好きって言えるように。

そんなことを考えながら一日を過ごした。

…14話 終わり

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妄想入ってます。微妙に「めぞん」も入ってます。文章を書いていると自分の考えも纏まるし、ロスも癒える。

以上「身勝手版 14話」でした。

 

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「徒然チルドレン」2話 春 感想

お兄ちゃんの彼女

ほたる「それであなたは兄の何なんですか」(怒)
皆川「何なんですか?」(笑顔)

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皆川「大丈夫よ、一緒にかわいがってあげるから」(笑顔)
ほたる「ほんと、キライ」(怒)

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ブラコンほたるちゃん。かわいい。
リアクションは違えどやっぱり兄妹(笑)


古屋くんと皆川さんは相思相愛だよね、どちらも真面目に好きなんだから(笑)

先輩と一緒に過ごした天文部。
そこが素敵なところだということを一所懸命説明する。

加賀「これが探していたモノなのかよくわからない。とにかく僕はこの笑顔をもっと見たいと思ったんだ」

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笹原さん。先輩の好きだった場所を守りたいんだよね。好きな人のために頑張る姿がけなげ。
でも加賀くん、笹原さんは彼氏いるからな。

コンタクト

コンタクトレンズを探しながら告白する上根さんと焦る剛田くん。
コンタクト無くしたのはふたりで話す口実。
上根「私まだちゃんと言っていなかったね」「好きです」

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剛田くん鈍すぎ(笑)
上根さんよかったね、でも剛田は状況を飲み込めていないぞ(笑)

コンタクトはダブル・ミーニングなのでしょうね。

菅原「もし告白されたら」
高野「断るんじゃないかな。私になんか告白するとか絶対おかしいよ。私可愛くないし暗いし」

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「恋愛か、私には無理だな。菅原君は優しいし、きっとモテるだろう」

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菅原「さっき言いかけたこと、やっぱ言おうと思って…。俺は高野のこと好きだ、ぜ」

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高野「ありがとう、励ましてくれたんでしょ。わたしのこと」
菅原「そうです…」

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恋愛を自分とは違う世界のものと考えている高野さん。
同じ鈍いでも剛田君とはちょっとちがう。
菅原君と温度差がある、妙に感情移入できるキャラです。

人の数だけ「好き」がある。人を好きになるって幸せなことって思える。

ショートアニメじゃなくても良かったのに…

 

 

新しい過去の創造

勝手な青春劇

勉強が出来る…
スポーツに秀でている…
バンドをやっている…
面白くて楽しい…
かっこいい… 

中高生時代の人気者ってこんな感じだったと思います。

 

www.youtube.com

勝手な青春劇 愚痴をこぼして終わり
僕らの毒は僕らだけじゃないんだから
大丈夫

勝手な青春劇 何となく楽しくて
終わりにはしない僕らだけの時間を

勝手な青春劇 - ゲスの極み乙女。 - 歌詞

アルバム「達磨林檎」の中の一曲。

10代の自分は何となくむしゃくしゃしていて、誰かまわずにシニカルな意見を吐いていました。カッコつけたわけじゃなく、あの時はそうするしかなかった。
親、教師、先輩や同級生にあるときは毒づいて、あるときは迎合して…。
誰も導いてくれる人もなく、ひとりで決めてゆく。

特別な存在だなんて思った事は一度もないけれど、年を重ねるにつれ、子どもの頃の人気者の条件なんて大人になったら大して意味のないことだと気がつく。

自分の過去を変えることなんて誰も出来やしないけど、子どもの時より大人をやっている年月の方が長くなってしまった。

沢山の出会い、そして小説、アニメ、映画、音楽に触れて子どもの頃とは違う解釈もできる様になった。そんな今の知識と感情を持ったまま、10代に戻った自分を想像する。

それは「新しい過去」を持った自分。その自分が大人になれば今とは少し違う人生を送れているのかもしれない。

「新しい過去」は「あの頃なりたかった自分」に近づくための魔法の様なもの…

人はいつでも変わることができる。そう考えたら少し元気が出てきた

 

「月がきれい」感想 …手の届きそうなフィクション

いまだに月ロスです…。いつになったら癒えるのでしょう(笑)

 

文学少年とスポーツ少女の純愛物語。普通に考えると、千夏がヒロインに合っているのではないでしょうか。たとえばこんな風に…

西尾千夏。元気いっぱい、自分の感情に正直、同じ種目の部員に負けないように自主トレも欠かさない。人を好きになれば当たって砕けることも辞さない。親友と三角関係的になっても、最後には親友のために背中を押す…。
小太郎は最初は大雑把だと思っていた千夏に引っ張られながらも、自分の踏み入れることのない世界を知る。そしてある時、元気に見える千夏だが実は内面が脆いことを小太郎は知る。それをサポートしながら一緒に未来を歩いて行く…。

こういう設定だと、外見と内面の落差が千夏という人物に深みを出します。
(決して本当の千夏に深みがないわけではありません、いまひとつ何を考えているのかわからないだけです(笑))

こちらが正統派な気がしますし、ほっといても勝手に物語りが進みそうですね。

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千夏のヒロイン像が動的とすれば、茜は静的でしょうか。

茜は大体において誰かのアクション、もしくは自分の失敗を受けるかたちで行動することが多いようです。

1話。小太郎のLINEを聞き出せず用具係の仕事をさぼらせてしまう。
  →勇気を出して自分のLINEを教える。
2話。べにっぽを探して借り物競走の準備を忘れる。
  →小太郎の機転でなんとか切り抜ける。べにっぽも見つけてもらう。
4話。修学旅行で小太郎からの中途半端な連絡もらう。
  →土井丸百貨店へ向かう。ケータイ繫がらないことなどで不機嫌。
5話。小太郎と喋れなくてフラストレーションが溜まる。
  →小太郎が古本屋で逢瀬の時間をつくる。
6話。千夏にLINEのことを言われる
  →ようやく小太郎のことを打ち明ける。
7話。故意か偶然か遊園地で比良とふたりきりになってしまう。
  →小太郎が「付き合ってんだ、俺たち」宣言する。
9話。小太郎から大会を見に行っていたことを知らされる。
  →それをきっかけに引っ越しのことを話す。
10話。茜の引っ越し、比良とのことで小太郎の不安と嫉妬に気がつかない。
  →小太郎の決意を知り、自分からキス。
12話。遠距離の不安から別れを予感。涙のキス。
  →「ずっと、大好きだ」で一緒に歩いてゆけると信じられた。

 

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自分から積極的に行動したのは下記の状況でしょうか。
3話。スマホの電池切れのため大会の結果をLINE出来ない。
  →会えるかわからないけど小太郎のいる神社に行く。
8話。お囃子の稽古を見に行きたいと言う。
  →見学しその後、氷川神社の風鈴へ。誕生日プレゼントを買う。
11話。クリスマスプレゼントのマフラーを編む。
  →その後、デート。キスのおねだり。

茜「会えたし…」(可愛い)

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茜「メリクリ」(可愛い)

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あまり自発的に動く感じではないですね。ほっといたら物語が進みそうにありません。

文字通り「いつもどうしていいか、わからない」ことが多いです(笑)
依存心も強いのかも知れません。
それに内面の弱さが外にも出やすいので千夏の様な落差を感じません。

どうも体育会系=積極的というイメージからずれている気がします。内向的スポーツ少女とでも言えば良いのでしょうか…

そんな茜ひとりでは進みそうにない物語を動かす。
それが普通ではない文学少年・小太郎です。

 

相手の気持ちも良くわからないのに「つきあって」と交際を申し込む。
修学旅行、連絡を取りたい一心で千夏のスマホを借りる。
遊園地で堂々の交際宣言。そして別行動に持ち込む。
茜と同じ高校を受験することを決める。

茜「みんなに言っとくね」(可愛い)

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その他「5話から8話までの振り返り」で少し書きましたが、小太郎はいつも茜のして欲しいことを先回りしていきます。

capibara.hatenablog.jp

なんだか小太郎も、文芸部=内向的というイメージからずれている気がします。
単に好きな人のために動く、彼女のために尽くすのではなく、自分を信じて行動する姿は「茜の想いは自分と同じはず」と主張しているかのよう、かなり大胆で行動的です。

こちらは行動派文学少年とでも言えば良いのでしょうか。

内向的スポーツ少女と行動派文学少年の物語。前述の千夏ヒロインで考えた物語と比べると、少し強引なストーリーになりそうですね。ラブコメでもかなり面白いお話ができそう。

ファミレスで小太郎と出会った時の茜は「学校では言わないで…、恥ずかしい」と言っていたのに、べにっぽが見つかると緊張が解けたのか「ホント恥ずいんだけど…やっぱ走るの好きだから」と早口でまくしたてる。

用具室で緊張の中やっとの思いで小太郎に声を掛けるけど、その後緊張が解けると小太郎の制服が汚れているのを見て躊躇無くパンパン叩く。

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内向的だけど部活仲間以外、心咲たちとも空気を読んで仲良くつきあえる。
家族との会話では「お姉ちゃん」ではなく「姉ちゃん」


ご飯を「お替わり」ではなく「おかーり」とかリラックス感半端ない。

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茜の場合は親しくない人と親しい人に対する緊張の度合い。打ち解ける前とその後のギャップ、内弁慶度にかなり萌えます(笑)
そして関係が深まり過ぎると感情に振り回され押さえられなくなる。

元気なスポーツ少女と、大人しい文学少年という記号化された組み合わせではなく、スポーツをやっている内向的な少女と、文学を愛する行動的な少年という組み合わせが、良くある物語とは少し違う印象を与えていると思います。
そして従来の物語と少し違う落差を持った主人公にしたことが、この物語が心に刺さる大きな部分かなと思いました。

「リアリティのある物語」と良く言われますが、本当に普通の日常と登場人物を描いても、当たり前過ぎて共感はできてもリアルを感じない。
リアリティのある物語とは手を伸ばせば届くかもしれない、でも手を伸ばすことができない「共感できるフィクション」の中にあるものかも知れません。
(Cパートは普通の日常に近いと思います。それが本編を際立たせているかも)


水野茜はあくまでフィクションの存在。でも昔出会ったあの子も、こんな気持ちでいたのかも知れない。

そして安曇小太郎は「あの時、手を伸ばすことができなかった自分」
これもやはりフィクションです。

心地よい、夢のような、でも手の届きそうなフィクションを描いてくれることで、「もしかしたら…」のリアリティを感じることができる。

そして中学生時代が遥か遠い過去になってしまった私が、LINEという最新ツールを手にした昔の自分を思い出す感じ…
それは「懐かしい未来」ではなく、「新しい過去」を創造してくれる。

私にとって「月がきれい」とはそんな物語。それがいつまでたっても「月ロス」を解消できない理由のひとつかもしれません。

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「徒然チルドレン」1話 告白 感想

原作を知らないのでタイトルの面白さだけで視聴

いやあ、なんだかニヤニヤしっぱなしの物語でした。
私の心の穴を埋めてくれるかな…

 

いろんなカップルの色々な「好き」描いてゆくショートショート

告白

好きな者同士のふたり。だけど「好き」と言えず空回りする女の子と、その空回りに付き合う男の子

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不真面目な彼女

ちょっと不真面目っぽい女の子が、照れ屋で真面目な男の子にストレートに「好き」と言っちゃう。

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生徒会長の悩み

不良を気取るけど根は純情な女の子。一見真面目だけど妙に手練れた生徒会長のなんだか婉曲的な「好き」。

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スピカ

先輩に日頃から好きと言っているけど、いつも茶化してしまうので本気と取られていない女の子。卒業前日の夜、ついに真面目に「好き」と言えたけど…

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ギャグなんだけど現実に無さそうで、ありそうで…

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英樹「お前の好きはもう聞き飽きた」
さつき「えーっひどいっす」
英樹「でも今夜で最後だ。出て行く前にもう一回聞きてぇ」
  「言わねえなら俺から言うぞ」
さつき「せんぱーぃ、めっちゃ好きです」(泣)
英樹「泣くな、バカ」

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先輩はちゃんと本気の「好き」だとわかっていました。

どうして最近の作家さんはこんなに泣かせるのが上手いんだろう。
どうしてこんなに心をくすぐる話を書けるんだろう。

異性に対する見栄とか、照れとか、強がりとかが一杯詰まっている。
徒然チルドレン」とはそんなお話でした。

 

最近、最終回まで見ることができるアニメの共通点として、音楽が好みであることに気がつきました。

 

 

「月がきれい」 …それぞれの告白

告白とその返事

 神社境内。小太郎の告白

茜「ほんと、月きれい」小太郎「つき、あって…」 茜「えっ」

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小太郎は何となく茜に自分と同じものを感じていたと思います。
小説を書いて応募はするけど、読ませたくはない小太郎。
恥ずかしいし緊張するから目立ちたくはないけど、走るのは大好きな茜。

この日、茜から会いに来てくれただけで嬉しいのに、この笑顔を見て小太郎は完全に恋に落ちました。恋に落ちたとき…、文学的表現なんて関係なくなるんですね。

この時は返事をもらえなかった小太郎ですが、京都の修学旅行で。

茜「もっと喋りたい、安曇くんと…」 小太郎「それって、返事」
茜「うん…」

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中途半端な待ち合わせの約束からくる不安、そして苛立ちから小太郎にきつい言葉を返す茜。でも「わかんない、わかんないけど」と神社の境内で「なんか変なの」と思う自分の気持ちが「好き」という感情なのだと気がついた瞬間、少し恥ずかしくなったのかも。やっと聞き取れる様な小さな声で「うん」と返事をしました。

お祭りの夜。比良の告白

比良「でも、何で安曇。」「俺の方が絶対水野のことよく知っている」「ずっと、はじめから、ずっと一番好きだ!」
茜「比良は友だちだから…。大事だけど、違う」

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この春、同じクラスなって知り合った小太郎より、部活で約二年半一緒だった自分の方が茜のことをよく知っている…。その気持ちはわかる。が、好きを伝えるために相手を比較するのは駄目でしょう。

茜の返事は「比良とは恋人にはなれないし、まして小太郎の代わりにもならない」と言っているわけです。
流されやすい茜にここまではっきり拒絶された比良はかなりショックだったでしょう。まわりからも告白したら茜は断らない(断れない)と思われていたわけですし。
そういえば大会後のハンバーガーショップでは茜の隣に座ってましたけど、他の男子部員がそれとなく気を遣ってくれてたのかな?

でも茜に友だちとしか思われていたことに気がつかなかった比良は、やっぱり茜のことを何も理解して無かったわけでして。とにかく残念。

氷川橋。小太郎の告白

小太郎「ちゃんと将来とか…」 茜「うん」
小太郎「小説のこととかも…」 茜「うん」
小太郎「考えて決めた…」 茜「うん」
小太郎「ずっと、一緒にいたいし…」「本気だから…」

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茜はキスで返事

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比良の茜への告白。嫉妬心からつらく当たってしまった茜に本気の想いを伝える小太郎。この時の茜のキスは小太郎もビックリ。
キスの後、思わず周囲をキョロキョロ(笑)
茜はこの時から本当に小太郎を誰にも取られたくないと思ったのかも。

 

氷川橋。千夏の告白

千夏「コタのこと、ずっと好きでした」「私じゃ駄目かな…」
小太郎「ごめん…」

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場所は前述の氷川橋。茜への対応と比べ、千夏には「ごめん」の一言。茜の友だちだという以外、全く恋愛対象として見ていなかった、特に親しくもない女の子からの突然の告白。

お祭りの夜、茜への比良の告白に似ています。
比良の場合「なんで安曇?」 千夏の場合「私じゃ駄目かな…」
どちらもこれで自分に振り向いてくれる訳じゃない、答えがNOであることはわかっていた。ただ気持ちにけじめをつけたいからきた発言でしょう。

しかし何故ここでコタ呼び? 当人は親しみのつもりなのでしょうが、比良と同じく相手のことをよくわかっていないのかな。
良い子ですが、なかなか理解しがたい面を持つ千夏。でもこの真っ直ぐさが、時には茜を不安にし、時には茜の背中を押してくれる。それが茜の「好き」を強くしてくれたのでしょうね。

小説「13.70」。小太郎の告白

現実になる遠距離。不安からお互いの心も遠くなり別れの予感を感じるふたり。

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現実の不安に押し潰される、小太郎との関係が悲しい結末になることを恐れていた茜を、小太郎の「大好きだ」のひと言が救いました。

そして小太郎自身も「大好きだ」と叫んだ時、救われたはずです。
なぜならこれは比良に先を越されてしまった言葉だから。

でもなぜいままで「好きだと」言えなかったのでしょう…。
単に気恥ずかしかったのかも知れません、中学生ですし

しかし「好き」と言えなかった反省からか、高校生になったふたりはLINEで「私のほうが好きだよ」「俺の方が好き」と喧嘩を始めるわけです。幸せそうに(笑)

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なんだかオチがついたような(笑)

しかし比良くんの残念さを一度まとめておかなければ。全てを記憶にとどめておくために。

 

 

「月がきれい」 気ままに13話

月がきれい 13話

春、新学期。
小太郎は市立高校、茜は光明高校に入学して間もなく1ヶ月が過ぎようとしていた。
部活動は当然、文芸部と陸上部。
4月はお互い新生活の忙しさで結局逢えずじまい。
少し寂しさの募るふたりだけど楽しみは夜のLINE。学校のこと、部活のこと、新しい友だちのこと…。

茜が引っ越していった日の夜、小太郎は「明日、会いたい」と茜にLINEした。
返事は「わたしも会いたい!」

翌日、小太郎は茜の住む街へ。


せっかくの日に泣いてしまったこと。引越の日、見送りに行けなかったこと。「13.70」を読んだこと、電車を追いかけて橋まで来ていたことなど…。

新しい家の整理などが残っているため、それほど長い時間一緒にいられたわけではなかった。けれど、小太郎はどうしても直接伝えたかった。

小太郎「好きだ。これからもずっと、かわらない。大好きだ」
茜「私も大好き。小太郎くんのこと」


そして4月から大型書店でアルバイトを始めた小太郎。
平日は週2回の夕方から3時間、土曜日は8時間。大変だけど本に囲まれた仕事は結構楽しめる。
そのせいでまた勉強しなくなったから母親の小言は多い。けど、小説を書いていることについては何も言わなくなった。

親戚から貰った入学祝いがあるので、交通費くらいは何とかなる小太郎だけど、
茜「あまり無理しないで。私は大丈夫だから」
小太郎「了解! 距離は少し遠いけど、いつも想っているから」
本当は毎週でも逢いに行きたい。けれど…
でも茜の気持ちに負担をかけすぎてはいけないと思い言われる通りにしていた。

そしてもうすぐ給料日。
小太郎は早速GWに行こうと思っていたのだが、茜の通う光明高校は陸上の強豪校、部活に休みはない。
仕方なく小太郎もGW中はバイトのシフトを入れることに。
店長「安曇君、助かるよ。この時期休みを入れるバイト君が多くてさ」
小太郎「いやぁ、そんな…。別に予定ないんで」

その夜のLINE。
茜「なかなか会えなくて、ごめんね」
小太郎「いいよ、いいよ」「とりあえずバイトしたり、小説書いてる」
茜「ありがとう」
小太郎「部活ってどう、慣れた、きつい?」
茜「うん、やっぱり高校はちがう感じ」
小太郎「そっか、無理しないでね」
茜「ありがとう」

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もうすぐ逢える。そう思うと嬉しくてなかなか寝付けないふたり。

そしてGW明け、最初の日曜日。
午前9時、茜の住む街の駅で待ち合わせ。
ここまで来るのに約2時間掛かる小太郎のために都内で待ち合わせしようと言った茜。
でも茜の住む街をもっと良く見たいと言う小太郎の希望を優先した。

待ちきれず約束の時間に20分早く着いた茜。するとすでに小太郎が待っていた。

茜「おはよう」
小太郎「おはよう」
茜「小太郎くん、待った?」
小太郎「いや、なんか、約束より早く来ちゃった」
茜「私も…。じっとしていられなくて…」
小太郎「うん、俺も」
茜「なんか…久しぶりだね」
小太郎「そうだね」
笑顔のふたり。

茜「小太郎くん、背伸びた?」
小太郎「少しだけ…。茜ちゃんも雰囲気変わったかも…」
茜「そうかな」
小太郎「うん、きれいになった、と、思う…」
茜「ありがとう…」
赤くなるふたり。

近くの公園を歩く。
LINEや電話はしたけど、直接話すのは約1ヶ月半ぶり。話し始めると、いろんなことを思い出して気持ちが高揚してくる。

その後、ファーストフード店でお昼。
茜「眠くない?」
小太郎「あぁ、全然平気」「…ウソ。結構眠い(笑)」
茜「やっぱり(笑)」
小太郎「バイトが結構忙しくてさ、土曜日は夜までだし」「あと眠れなかった」
茜「私も」

「そういえば、千夏は元気?」少し不安そうに尋ねる茜
小太郎「元気そうだよ。クラスが違うから、話をすることは少ないけど」
茜「そっか…、時々LINEはくるけど」
小太郎「全然、心配しなくて大丈夫だから」
「うん」と言って、ようやく明るい表情を見せる茜

小太郎「練習はどう?」
茜「みんな凄くて、もうついて行くのがやっと。でも頑張る、好きだから」
小太郎「大会って今月末だよね。見に行こっかな…」
茜「…うん。待ってる…」

茜のことだからダメと言うと思っていた小太郎は少し驚いた表情で
小太郎「えっ、いいの。やった…」

茜「でも、お父さんとお母さんも来るから…、見つからないようにしてね」
少し恥ずかしそうに小太郎にお願いする。

話は尽きない、もっとこのままでいたい。だけど…
小太郎は茜の明日の練習のことを気遣い
茜は小太郎の帰りの電車の時間を気遣い
駅へ向かう小太郎と茜のふたり。

小太郎「じゃ再来週、応援に行くから。競技場で」
茜「うん、待ってる。私、頑張るから」

電車から手を振る小太郎。
名残惜しそうに見送る茜。でも淋しさはない。
大好き。そしていつでも逢える。それがふたりの気持ちだった。

その頃、茜の家。晩ご飯の支度をするお母さんと彩音
彩音「茜、朝早くから出かけたけど、彼氏とデートなんだって?」
お母さん「そうみたい、彼氏ってどんな子か知ってる?」
彩音「ほら、去年の春、ファミレスで挨拶した同級生がいたじゃない」
お母さん「へえ〜、あの子。なんかおとなしい感じの男の子だったわよね」
彩音「それが、お母さん。実は結構ねぇ…」


お母さんは話を聞いてびっくりした様子だけど、なんだかニヤニヤ。
詳しく話を聞きたいけど、ままならない微妙な顔のお父さんでした。

…13話 終わり

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月がきれい」ロスになってます(笑)
小太郎は絶対に引越の翌日、茜に逢いにいってるでしょう。
だって、いつも茜の望む回答を出し続けてきた小太郎だから。
そして荒ぶる心を持っているから、行動しないわけはない(笑)

久しぶりに逢って、少しずつ大人になっていくふたり。
高校生最初の遠距離デートはこんな感じではないでしょうか。

ロス中の気持ちを忘れないための「身勝手版 13話」でした。