「月がきれい」9話 風立ちぬ 感想
乗り越えられない壁ができた時
不穏なタイトルですね「風立ちぬ」とは。
中学三年生の秋。高校進学についても本気で考える季節。
その前に小太郎は川越祭り、茜は中学最後の大会に向けて練習中。
いつもの古本屋はすっかりふたりの待ち合わせ場所。
「茜ちゃん、成績良いから」
でも高校は別になっても家が近所だからいつでも会えると思っていたふたり。
しかし茜の父から千葉の本社勤務の内示が出そうなこと、そして市川に引越となることが伝えられます。
千葉の高校について何も知らない茜はお母さんから「光明高校」を薦められます。
しかし引越についても高校についてもいまひとつ実感がわかない様子。
小太郎とのLINEで大会と川越祭りの練習をお互い頑張ろうと約束。
でも小太郎が応援に行きたいと言うと全力で却下します。
それでも内緒で見にきた小太郎。
競技場の雰囲気に気後れしながらもスタンドで茜のラストランを応援。
「おめでとう」を伝えにスタンドから下に降りてきますが、仲間に囲まれる茜を見て黙って競技場を後にする小太郎。
それを千夏だけが気がつき寂しそうに見つめます。
千夏は何を思うのでしょう。
告白できなかった未練…
それとも小太郎の応援が自分に向けられたものでは無いことの寂しさ…
大会が終わったことで茜、千夏、葵は引退。三人は涙し、比良に冷やかされながらも互いに感謝とねぎらい。
「マジ、やめて」という“女一匹”滝沢葵が可愛いです。
茜は小太郎にLINEで「自己ベスト更新」を報告。
「お・め・で・と・う」と一文字ずつ、気持ちを込めて小太郎はLINEを返します。
会場撤収中、話の流れで茜はうっかり千葉への引越のことを比良に話してしまいます。
比良も結構動揺している感じですね。
川越へ帰宅中、比良は最後の思い出に陸上部のみんなで川越祭りに行くことを提案。
その電車の中で千夏と比良。
千夏「比良さ、諦めてないの」
比良「俺は、まだ勝負すらしてないし」
千夏「しょうがないよね、気持ちはとめられないし」
悲しみを感じさせる比良と千夏の表情。
それと対比する他の部員と談笑する茜の笑顔がまぶしいです。
その夜、LINEで大会を見に行っていたことを打ち明ける小太郎。
ビックリする茜ですが、そのLINEの返信で千葉へ引っ越すことをようやく小太郎に伝えます。
物語も後半。壁を取り払って心の距離がゼロになったふたりに、自分たちの力ではどうにもならない壁ができました。(太宰も出てこない)
転勤、引越については当初から匂わされていました。
1話で「東京に引っ越そうよ、どうせ転勤があるんでしょ」とお姉ちゃんの発言。
今回、お母さんの「もうそんな時期」の言葉からして4〜5年おきに転勤しているのでしょうね。川越に引っ越してきたのは茜が小五の時ですし。
そして大会が終わったことでようやく現実を考えるようになった茜。
お母さんが良い高校と薦める「光明」。
比良も陸上やるなら強い高校、千葉なら「光明」が強いと言います。
お互いに自分の好きなことを頑張ると約束したふたりです。
茜は光明を受験することを決めるでしょう。
小太郎は角山出版の編集者に「才能ない」言われたことが頭にずーっと残っている様子。どうやら将来のことを考えてラノベ転向も考えているみたいですが…
父親から「やりたいことをやるために、好きなところに行っておけ」と助言をうけた彼は将来をどう考えるのでしょう。
この物語の特徴として、普通なら比良に引越のことを先に話してしまったこと、小太郎が内緒で大会を見に行ったことが、ふたりの関係に影を落としそうですが、そういうところは素早く回収してしまうのが良いですね。とにかくストレスが溜まらない。
しかし次回は比良と千夏を含めた陸上部全員で見に行く川越祭りのお話。
まだ勝負すらしていない比良はどうする…
千夏はいまだ気持ちがとめられていないのでしょうか…
祭りの主役である小太郎は…
茜の引越でふたりの将来は…
大きな波乱が起きそうな予感を残した9話でした。
古本屋のお兄さん
小太郎に「ラノベって読んだことある?面白かった?」と聞かれて、
「普通の小説と同じだよ、良い物もあればつまんない物もある」と答えます。
正論ですね、小太郎はジャンルにもこだわっているみたいですが…。
13.70
大方の予想通り、茜の自己ベストタイムでした。
小太郎はこれを題材に小説を書くのはいつなのでしょう。
そしてOPの原稿で「つづく」とあるのは…
LINE
スタンプいっぱいで楽しいそう。
ぬいぐるみ
あぁ、できることなら代わりたい(笑)