カピバラの備忘録

アニメと音楽と読書など。少し自分の考えをまとめて見たい気分になりました

「月がきれい」10話 斜陽 その2 感想

二度目の涙

茜が遠くへ行ってしまう不安…
お祭りの数日前。塾帰りに一緒になったふたり。


茜「ごめんね」
小太郎「なんで謝るの?」
茜「だって、遠くなるもの…。どうしたらいいか、わかんなくて」
小太郎「茜ちゃんのせいじゃないよ。遠くなっても、平気だから」
茜「うん…、ありがとう」

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一般で同じ学校受けようかな。めちゃくちゃ遠いけど、と冗談めかして言っていた小太郎ですが、茜と同じく「どうしたらいいか、わからない」が本音だったのでしょう。
茜が同じ塾に通うことになって笑顔で一緒に帰ります。

祭りが終わった夜

小太郎は茜の引越で気持ちに余裕が無くなっていたこと、そして比良の告白で茜に冷たく当たってしまったことで、どうしようもない気持ちで一杯になります。

茜にLINEすることもできず、気持ちをどこにぶつけたら良いのか…。紐パンチで図らずも灯りが消え、そのままベッドに倒れ込む小太郎。後悔の念からひとり嗚咽します。

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同じ頃、ベッドの中でLINEの画面を見続ける茜。

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6話「走れメロス」でそれぞれが赴いた大会と出版社で挫折した夜のLINE。
「会いたい」「わたしも」
茜が欲しいときには必ず望むLINEを送ってきた小太郎。それも今夜はありません。

 

学校で会っても哀しそうな表情で目をそらす茜。小太郎も寂しそうに見つめるだけです。

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学習塾の夜

小太郎と同じ塾に通うことになった茜は、そこに光明高校の受験問題集があることに気がつきます。
その瞬間、駆け出して小太郎を追いかける茜。

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茜「これ、リクエストがあったって…。小太郎君なの…」

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小太郎「受けるから…」「親にもまだ言ってなくて…」
小太郎「たぶん、反対される…。けど、説得する。親に話してから言うつもりで…」

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茜「うん」
小太郎「ちゃんと将来とか…」
茜「うん」
小太郎「小説のこととかも…」
茜「うん」
小太郎「考えて決めた…」

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茜「うん」

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小太郎「ずっと、一緒にいたいし…」「本気だから…」

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茜「ありがとう…、嬉しい…」
小太郎「この前、ごめん…」

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茜「私も、ごめんね…」「しゃべれなくて…。もう嫌われたかなと思って…」
小太郎「そんなことないよ」

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「嬉しい…」と言って小太郎に駆け寄る茜。ですが小太郎は肩すら抱くことができません。

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小太郎は「この前はごめん…」と言います。しかしこれは祭りが終わった夜に伝えたかった言葉。でも伝えることができなかった…

でも結局、茜の行動がきっかけでようやく謝ることができた。

 

「しゃべれなくて…。もう嫌われたかなと思って…」
(小太郎君に比良のことをきちんと話すことができなくて…。だからもう嫌われてもしかたないと思っていた)

「そんなことないよ」は自分の小ささゆえの嫉妬心が原因だった。
なのに責任を感じてしまっている茜に自分はどう償えば良いのか…。

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茜の引越(物理的な距離)と比良の告白(心の距離)の二つの不安に押しつぶされ、自責と後悔の念に囚われる小太郎を、まさかの茜からのキスで解き放ちました。

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これは「惜しみなく愛は奪う」で、「彼女だから…。付き合ってんだ、俺たち」と宣言し、茜を比良からだけでなく不安やもやもやした気持ちから解放した小太郎。

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状況は違いますが、あの時の小太郎の役割を今度は茜が果たしました。

遊園地での付きバレ後、ふたりの安心した表情と、今回のキス後のふたりの表情は同じ優しさで包まれてます。

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 遠距離恋愛の不安。川越祭り、小太郎の舞に息を呑む茜。比良の告白。小太郎の嫉妬とすれ違い。そして決断と和解。密度の濃い「斜陽」の回でした。


中学生らしい嫉妬に焦がれる小太郎。中盤過ぎまでのイライラとハラハラを一気に吹き飛ばしたラストのキス。反則ワザとすら思える「Fragile」
大切なことを言葉で伝えることができたふたりでした。

惜しむらくはもう少し小太郎の心情を丁寧に描いて欲しかった…、OPを削っても良かったのではないかな。

 

しかし、「ずっと、一緒にいたいから」「本気だから…」
これ、誰がどう考えたってプロポーズですよね(笑)
嬉しいよね、茜。まだ中学三年なのに(笑)

 

もう小太郎が、光明の受験に合格しようが失敗しようが、遠距離恋愛になろうが、心の壁も距離もなくなったふたりは大丈夫だと思います。(太宰も何も言わなかったし)

しかし「ちゃんと将来とか…」「小説のこととかも…」「考えて決めた…」。
所詮中学生の考える将来です。小太郎はきちんと親を説得することができるのか。

事前と事後

何も言うことはありません。

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古本屋のお兄さん

小太郎の小説はそのままでラノベ好きにも通用すると言いますが、小太郎は微妙な表情。もしかしたら、このことも小太郎のもやもやに繫がっていたかも…

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